2021/08/15 01:36

「ニット生地は水通し後や保管期間中に縮みますので、用尺には余裕を持ってお求め下さい。」
とは言え、どのくらい余裕を見ておいたらいいのでしょうか?

今回は、ご購入の際に商品を選んで頂きやすいよう、当店の生地がどのくらい縮むのかについて実験してみました。

<材料>
10㎝角に切った40スムース(柄・無地)、40スパンフライス、オックス、ミニ裏毛(柄)、さらさらスムース(柄)のハギレ各2枚
(ミニ裏毛アナログプリントについては2021.12.11追記)
(さらさらスムースについては2022.4.20追記)
(40/2天竺については2022.6.14追記)
(ミニ裏毛デジプリスタンダードラインについては2022.10.11追記)
(キルトニットについては2022.11.24追記)


<方法>
1.水通しを想定し、ハギレを1時間水に漬ける。
2.ハギレを平置きして完全に乾かす。
3.縦・横の長さを測定し、生地の種類ごとに平均し、元の大きさの何%に縮んだかを算出する。

<結果>
ニットは縦の方が横に比べて縮みが大きい物が多かったです。
このため、縦の縮みが大きかった順に発表します。

1.一番縮んだのは、40スパンフライスです。
縦88%、横96.5%で、特に縦方向に顕著です。
例えば50㎝購入した場合、水通し後には44cmほどになる計算です。

2.次に、40スムース(柄)。
縦91%、横98.5%で、大体縦に1割は縮むと考えて頂いたらいいかと思います。
例えば50㎝購入した場合、水通し後には45.5㎝ほどになる計算です。

3.キルトニット。
縦92.3%、横95%です。←こちらは平均値ですが、各データにはバラつきがありました。
柔らかい素材ですので、歪みが生じやすいのかもしれません。
水通し後は特に念入りに整えて平干しして下さい。

4.40スムース(無地)。
縦92.5%、横97%です。40スムース(柄)と大きな差はないので、こちらも縦に1割縮むとお考え下さい。

5.ミニ裏毛(デジプリニットスタンダードライン)
縦92.8%、横101.5%です。なぜか横方向にわずかに伸びました。
干し方かな?とは思いますが、原因は不明です。
50㎝購入した場合、水通し後に縦46.4cmほどになる計算です。

6.ミニ裏毛(アナログプリント)
縦94%、横95%で、縦横の縮みの差が小さい結果でした。
例えば50㎝購入した場合、水通し後には47cmほどになる計算です。

7.40/2天竺
縦97%、横99.3%で、1~4のニットに比べると縮みにくいという結果でした。
例えば50㎝購入した場合、水通し後には48.5cmほどになる計算です。

8.さらさらスムース
縦98.5%、横97%で、実験したニットの中で縦に最も縮みにくいという結果でした。

9.オックス
縦99.5%、横99.5%と、縮みはほとんど気にならない程度でした。
ただし、布帛も全く縮まない訳ではないので、用尺ギリギリでの購入は避けて下さい。

以上、このような結果となりました。
水通しや乾燥の方法、保管期間等によって数値は変わるでしょうから、あくまでも参考ではありますが、購入する数量を迷った際の目安としてお役立て頂ければと思います。